『自然生え』について

今回の記事は↓こちらの動画の内容に沿って、補足を書きます。

《動画タイトル》【雑草化する野菜】自然生えのしやすさを解説〔自然農法〕2020年8月6日撮影

【動画の目次】

  1. 動画内容の説明、自然生えとは?
  2. 果菜類について
  3. 根菜類について
  4. 葉菜類について
  5. 畑を散策して実際に自然生えしている野菜を見てみる

【補足説明】

①今回の動画での『自然生え』とは

自然生え(じねんばえ)とは、人為的にタネ蒔きしたわけでは無く、野菜が実らせた果実や種子が自然に地に落ちて発芽して育つことを言います。

今回の動画では、『タネ蒔きをした翌年以降に発芽して育つか』をポイントにしましたが、キュウリなどは春植えしたものが初夏に実をつけてそれが落ちて真夏に発芽、秋頃にまた収穫できるまでに育つということもあります。

このケースを『シーズン内の自然生え』と言うことにしました。

『タネ蒔きをした翌年以降に発芽して育つか』と、ちょっとややこしい表現にしたのは果菜類と根菜類・葉菜類ではタネが出来るタイミングが異なるからです。

一般的な果菜類(トマト、ナス、キュウリなど)はタネを春先に蒔いて夏に実が出来て秋にタネが地に落ちて冬を越して翌年の春に発芽しますが、人参や大根などの根菜類と小松菜やホウレンソウなどの葉菜は一度冬の寒さを経験しないと花芽を付けません。なので基本的には年越し後にタネが出来てそれが落ちてまた春~秋の間に発芽します。

例外として、2~3月の寒い時期にタネを蒔いて育てると年越し前に蒔いた葉菜類と同じタイミングで花を咲かせたりします。

②自然生えしやすいポイント

今回の動画では自然生えしやすい野菜としにくい野菜を解説していきました。編集している時に気づいたのが、次に挙げるポイントで総合的に『自然生えしやすい』かそうでないかが決まると思います。

  1. 着果数(タネの数)が多い
  2. 発芽後の生長力が強いか早い
  3. 虫に食われにくい
  4. 生育に適した時期まで休眠できる
  5. 休眠が解ける条件が厳しくない(発芽しやすい)

この条件を満たすものほど、自然生えしやすいと思います。

たとえば、葉菜類の特にアブラナ科の野菜(小松菜をイメージしてみます)はタネも多いし、発芽もし易くその後の生長も早いのですが、時期によっては虫に非常に食われやすくなります。

上記条件の1,2、5は満たしますが、発芽しやすいだけに春~夏に種が落ちたらすぐに発芽します。5~8月は雑草と虫の勢いが強い為それらに負けやすく上手く育ちにくいんです。

ただし、同じアブラナ科の葉野菜でも、辛みのある高菜やルッコラなどは虫に食われにくく春~夏に発芽してもそのまま生き残って育ったりします。

これはルッコラのタネが入っているサヤの部分。他のアブラナ科と違って真ん中に仕切り板がある。

果菜類でいうと、トマトは上記条件を全て満たします。それに対してピーマンは2,3,5が欠けます。生長が遅く、新芽はナメクジに食べられやすく、発芽するために他のナス科野菜よりも高い温度が必要になります。ナスもピーマンほどではありませんが同様の理由であまり自然生えしてきません。

自然生えしてきた大玉トマト(ポンテローザ)
タネ蒔きして育てたものよりも元気にきれいに育ってました。

カボチャやキュウリなどのウリ科はタネ自体は発芽しやすいのですが、タネが果実で守られている間は発芽しません。(例外として栄養状態が悪いと果実内発芽といって果実内で発芽してしまう場合もあります)

年を越した5月時点でもこの瑞々しさのバターナッツカボチャ。
常温保存でも1年近く果実がしっかりとしてタネを保存していた。

夏に実が出来ても実が熟して崩れるまでは時間が掛るのでその間に冬になれば発芽せずに年を越えて翌年の暖かくなった頃に発芽します。

そうやって『発芽のしやすさ』と『しっかり休眠する』という相反する要素を果実を使うことで実現しています。

大根の実もそうですね。尖ったひょうたんのような形の実をたくさんつけてそのカラは他のアブラナ科のものより硬く割れにくいんです。

これらのポイントを意識して野菜の発芽から種を付けるまでを観察してみると、野菜の自然生えへの理解が深まると思います。