私の考える『自然農』について

今回は私の取り組んでいる『自然農』がどういったものなのかについて、私の考え方・解釈を中心にお伝えしていこうと思います。

自然農とは?

化学合成農薬や化学合成肥料だけでなく、いわゆる有機農法(有機農業)では使用する特定農薬や有機肥料も使わない、無農薬・無肥料で野菜を栽培するやり方です。

農薬や肥料を使わずに、野菜が植物本来の自分自身で生きて生長していく力を発揮できるように環境を整えることが重要になってきます。
(具体的になぜ農薬も肥料も使わずに野菜を育てられるのかについては別記事にて書きますが、簡単に説明するなら日本の野山には誰に世話をされるでもなく、草木は力強く活き活きと生えている。そこに答えもヒントもあります)

自然生態系を利用する農法だから略して『自然農』と呼んでいる

この『環境を整える』というのは、畑の中に小さな生態系を作ることだと考えています。
なので野菜以外の雑草も生やして、土の中にも地上にも虫や小動物たちに住んでもらう。
雑草は生やさず、虫も菌も殺す現代の一般的な慣行農業とは真逆にも思えるやり方です。
単位面積、限られた期間内での生産性を重視するならば、現代日本の慣行農業はとても効率的です。

けれど、農地は周囲、自然環境と繋がっていて、時間は過去から未来まで繋がっている。
そんな中で、果たして生産効率だけを追求したやり方がずっと続けていけるものなのか?

近年話題にもでるようになった『持続可能性』という観点で見たときに現代世界で主流になっている農業のやり方はあと何年続けていけるのだろうか?

自然農は非効率に見えて最も効率的?

自然農というやり方は、生産効率という点では一見とても悪いように見えます。
けれど、それは『人間の労働量』に対しての生産効率であって、『消費した資源の量』という点でみると、圧倒的に自然農の野菜は生産効率が高いんです。

たとえば、自然農究極の形の一つである『自然(じねん)生え』は、野菜が成熟して実らせたタネが地面に落ちて翌年また生えてきて実を付けるというもので、肥料や農薬はおろか水やりすらもしていません。

自然生えまでいかなくとも、採取しておいたタネを種まきの時期に地面に蒔いて放っておくだけでも、出来る野菜は結構あります。

私は一般的には肥料が必要で虫にも食われやすい白菜ですら、畑にタネを蒔いて、2回くらい草取りと間引きをするだけで育てます。蒔いたタネ全てが収穫できるほど育つわけではありませんが、その内の何割かは立派な白菜になります。
生長の早い葉物野菜やダイコンなんかはもっと楽で、秋なら種まきをして放っておくだけでも良く出来ます。何度も言いますが、農薬・肥料はもちろん、水やりもよほど日照りが続かなければ行いませんし、ビニールマルチや、不織布、防虫ネットも一切使いません。
有機農業ではよく行われる、手で虫を捕まえて殺すという作業もほとんどやりません。
それでも出来る野菜はけっこうあります(もちろん上手くいかない野菜もあります笑)

かーびー流【ちょこっと自然農】

このように、どれだけ手を抜いても野菜は育つのか?逆に最低限必要な手入れはなんなのか?
あるいは、やった方が費用対効果が良くなる手入れは?逆にやっても効果が薄い作業はなにか?

そういうのを楽しみながら研究しているのが私の【ちょこっと自然農】で、その様子を上手くいったことも、失敗したことも含めてYouTubeで公開しています。

よかったら見てみて下さい^^そしてよかったらチャンネル登録もお願いします!笑

自然農の魅力は?

最後に自然農の魅力、メリット、デメリットについて紹介して終わろうと思います。

魅力は利害ではなく『面白さ』や『やりがい』
まず魅力から。一言で言えば、面白い。
それに尽きるのですがもう少し具体的に書きます。
(…といっても、私の感覚、主観での面白さなので他の方にも共感して頂けるかはわかりません)

何が面白いかと言うと、常識とされていることを覆すような発見があった時はとても面白いしワクワクします。無農薬・無肥料でも野菜が育つという時点で既に常識的ではないんですけどね笑

例えば、上述した白菜の例がそうですが、そうはいってもいくつかのポイントやコツみたいなものがあって、それを自分で勉強したり実験しながら法則を見つけていくんです。再現性が無ければただのマグレなので、次の年もやってみて同じようにできるのか?むしろもっと良く出来ないのか?を考えて試行錯誤して上手く行ったときはとても面白いですし、失敗したときはやっぱりちょっと(たまに絶望的に)悲しくなる時もあります。

性格が少し捻くれてるというか、あまのじゃくなところがあるんでしょうね笑

他にも定説とされてる

『日本は雨が多いので土が酸性になりやすい。だからまず石灰を撒く』というようなことや、

『同じ野菜を育て続けると連作障害が起きる』ということを自分で試してみて、真実を追究・考察していくのが面白いんです。

そして、『やりがい』という点で、私の場合はもともと農業がやりたかったわけではなく、自然環境の大切さやおもしろさを伝えて、環境問題に興味関心を持つ人を増やしたいという気持ちから畑の仕事を始めたので、畑の体験イベントも2012年からやってきました。
そこで、直接伝えることが出来るのと何より参加して下さった方々が、私が手入れした畑が楽しくて野菜がとっても美味しいと言って下さることがなにより嬉しくやりがいを感じる事が出来ています。

今ではそれが体験イベントだけではなく、YouTubeを通して日本中どころか海外の方にまで見て頂けるようになりました。良い時代ですほんとうに^^

自然農のメリット

メリットは色々ありますが、他の農法と比べた時に明らかに言えるのが、
・持続可能性
・お金が掛らない

この2点です。
※『美味しい』『栄養がある』『安全性』などについては、自然農、有機、慣行などに関わらずしっかりと栽培されたものはいずれも安全で美味しく栄養もあると思いますし、逆に無農薬無肥料でもマズイ場合もあるし、有機でも味が悪くなったりそれこそ安全性の面で不安になるような場合もあるので『自然農ならではの』メリットには挙げませんでした。

持続可能というのは、自然農は外部からの持ち込みに頼らずにその場にある資源とその循環の中での栽培するので、海外の資源(石油、仮想水、その他化石資源など)を消費せずに続けていけます。これは環境的なメリットだけではなく、政治的にも外国に依存せずに食糧生産可能というのはとても大きなメリットになります。

持続可能性というと、個人にとっては大きすぎる話になるのでもっと身近なメリットとして、お金を掛けずにやることが出来ます。肥料や農薬だけでなく、消耗品でありビニールマルチや農業資材なども購入せずに行えますし、タネや苗も自家採種を行うことで自給することが出来ます。

また『お金が掛らない』というのは自給可能という意味でも持続可能性にもつながりますし、これは日本よりも海外の途上国で経済的な余裕が少ない地域で特に重要になってきます。

途上国の貧困問題で特に深刻となるのは食べるものがなくなってしまうことです。お金が無くても食べるものと飲み水さえあれば飢餓は避けることができます。(このことについてはまた機会があれば別記事に書きます)

自然農のデメリット

自然農のデメリットは一言で言えば
・現在の一般的な市場流通には不向き
というところです。『大量生産に不向き』というのもありますが、やってやれないことはないと思うのですが、問題は現在の市場流通している野菜の相場が、生産効率を追求することで実現した低価格という点です。

肥料に頼らない栽培だと、どうしても肥料を使うよりも栽培期間が長くなり、単収(単位面積当りの収穫量)も少なくなります。単収が減る分、価格は上がります。その点で需要と供給のバランスが現状では悪いんです。その点が改善されていけば、自然農の野菜が一般的な小売店にも並ぶようになるかもしれません。

実際、『自然栽培』の野菜は、こだわりのあるスーパーなどでは取り扱われるようになってきました。
その当りは栽培技術や流通面での改善が行われていけば十分に可能性があると思えますし、SDGsが世界的な動きとなりつつあるので有機農産物への補助金制度も作られるかもしれません。
その流れで『持続的でない方法』によって生産されるものの値段が上がっていく可能性もあります。
例えば原油価格や肥料・農薬価格の高騰や輸入制限、あるいは環境税のような税金の導入も考えられます。

いずれにせよ、自然農のデメリットが克服されて生産と流通が広がって行くのは望ましいことだと思います。

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畑に木が生えている、植えることのメリット

自然農では外部からの資材投入をせずに土を豊かにしていくのが原則とされます。

それが『無肥料』に表されているのですが、これは決して『肥料=養分が要らない』というわけではありません。

時々この辺りを勘違い…というか極端な考え方になっていて『肥料=悪いもの』と思ってさえいる方をお見受けします。

実際、肥料分が無い土で育てるとどうなるか?というのは昨年のプランター栽培比較でよくわかりました。

その様子は↓こちらの動画で紹介しています。

この比較実験でもはっきりしたのが、肥料(養分)がなければ死にはしないけれど生長もせず老化していくという結果でした。

ではなぜ『無肥料』でも育つのかと言えば、それは人工的な養分供給が無くとも土や自然界には自ら養分を作り出す『循環』システムがあるからです。

土には色んな微生物や生き物が住んでいて、彼らがいるから土は植物が生長するのに必要な養分を作り出してくれる。その循環システムを活性化させたり促進させる、あるいは多様化させることで土を豊かにする。

その手助けをするのが農業の本来の在り方で、持続的な食糧生産ではないかと思います。

その手助けとして昔の日本は山の落ち葉を集めてきて堆肥を作り畑に入れていました。それを畑の中でやるのが今回の動画とテーマです。

おおよそのことは動画で話した通りなので、こちらでは簡単なまとめと話しそびれたことを書いていきます。

【畑に木が生えている、果樹を植えるメリット】

①落ち葉という有機資材が無料で手に入る

②果樹を植えていれば食べ物が手に入る

③隣地と離れていて、果樹の品質や収量を気にしなければほぼ手入れが要らない

④鳥や虫や小動物の休憩場、餌場、住処になるので生き物の数と多様性が増える

↑この4つともに動画でもお伝えしましたが、それぞれについて書いてみます。特に④は動画内ではお話しわすれた内容です。

①落ち葉という有機資材が無料で手に入る

そのままです笑 

落ち葉はとても使い勝手の良い有機質資材です。何が良いかって、草のように刈る必要も無いし、水やりや種まきをしなくても毎年自動で落ち葉を生産してくれる。それを集めるだけで良いし、そのまま放っておけば落ち葉堆肥がゆっくりとですが出来上がっていきます。これをホームセンターで買うと1袋300円くらいしますからね。

どの木でも分解されれば良い感じの腐葉土になると思いますが、樹種によって葉っぱの性質も変わるので、なるべく良い腐葉土がほしい…しかも果実も食べたいとなるとお勧めは『栗』かな。栗の木は落葉樹で葉っぱも比較的柔らかくて分解されやすいです。

それに対して柑橘類や樫などの常緑広葉樹の葉っぱは固めで分解されにくいです。

②果樹を植えていれば食べ物も手に入る

これもそのままですねw

『奇跡のリンゴ』が有名になったこともあり、無農薬、ましてやほったらかしでは果樹はできないんじゃないか?とも思われていそうですが、そんなことはありません。

人間の手助けがあって果実が実ったり美味しく出来る品種というものは沢山生み出されて、現在の市場流通ではそちらが中心ですが、昔からある古い品種や果樹の種類によっては無農薬無肥料でも毎年たわわに実をつけてくれます。

梨や品種改良されたリンゴあサクランボなんかは難しそうですが、柑橘類全般、ビワ、栗、梅、桑、柿、イチジク、銀杏などなど。散歩やドライブしていると案外、勝手に実って食べられずに地面に落ちてる果樹もけっこうありますのでそういうのを参考にしてみるといいかもです。

③果樹の品質や収量を気にしなければほぼ手入れが要らない

これもそのままなのですが(ぜんぶそのままですね)、②でも述べたように、自活できる果樹はけっこう多いです。ただ、それを美味しくしたいとか、沢山実らせたいとか、収穫し易い高さにしたいとかがあると、それらを実現するための手入れは必要になりますが、最低限の手入れで太陽光が当たるように草刈りや周りの木を切ってあげればあとは殆ど手入れ無しで収穫できます。

ただ、伸ばしっぱなしだと隣地の方に枝を伸ばしてしまったり、収穫しにくい出来ないくらいの高さにまで伸びてしまったりするので、定期的な剪定は行った方がいいかなと思います。落ち葉も畑に生えてるならいいけど、庭に生えてると落ち葉かきもしなくちゃならないですね。

④鳥や虫や小動物の休憩場、餌場、住処になるので生き物の数と多様性が増える

木は野菜や草よりも大きく環境を変えます。地上部も地下部にも草本に比べて広く伸びるし、長い年月そこに有り続けます。環境的な変化、多様性があるとそこに住まう生き物たちにも多様性が生まれます。

木の実が鳥や虫、小動物の餌になり、羽を休める場所にもなるしウロ(木の幹にできた穴)があればそこに巣を作る生き物もいます。根っこの部分にはたくさんの蝉の幼虫がくっついて生息していたりします(以前、以来された仕事で直径50cmくらいの切り株を撤去するために掘り出していたら30匹以上出て来ました。他の木の根元にできる限り移動して埋めておいたけど、生き延びられたかな…)

そうして動物たちが集まってくればそこで糞をしたり、死んだら亡骸が土の養分になり蓄えられていきます。この生き物を増やすほどに土が豊かになっていくという考え方が自然農をする上でのポイントです。

というように色々とメリットを述べて参りましたが、撤去するのは大変だし、育つのにも時間がかかります。それでも長いスパンでその土地をデザインしていくなら樹木は是非取り入れて作っていくのがよいと思いますし、既に生えているならそれらをなるべく活かすようにデザインするのも面白いと思います。

畑の木を切って原木椎茸栽培に挑戦-2020年12月4日

今回は念願の!シイタケ栽培に挑戦する回です。

動画の内容の補足も含めて、シイタケ栽培について解説していきます。

YouTube【ちょこっと自然農】の動画は↓こちらのリンクからもご覧頂けます。

シイタケ栽培のやり方には大きく分けて2つあり、一つは木材の切りくずのオガクズなどを使った菌床栽培と今回私がやった原木栽培です。

その原木栽培に使う種菌もオガ菌と駒菌というのがあり、オガ菌の方がいくらか安価なのですがやや手間が掛る。駒菌の方が簡単で失敗もしにくいし、子どもの頃に手伝いでやったこともあったので駒菌の方にしました。

穴開け用のドリルビットも一緒に売っていたのですが、3,000円以上したのでやめておき、家にあった電動ドリルと木工用のドリル刃セット(1,000円くらい)の8mm刃で穴を空けました。

作業の様子自体は動画の通りで、仮伏せまで行ったのであとは3月下旬までやることなしです。順調に菌糸が伸びていくことを願います。

ついでに今回の3号地に生えている柏の木を切ることになったことから伐採するところまでのお話。

柏の木は柏餅に使われるあの葉っぱの木です。葉には芳香があり、翌年に新芽が出るまで古いが落ちない特性から『代が途切れない』縁起物とされて柏餅を包むことになったり、家紋や神紋(神社の紋章)にもよく使われているようです。

ですが、この葉っぱがこの木を切る理由になったのです。

大きな葉っぱが冬枯れても付いたままで冬から春の強風で飛び散り、近隣のお家の敷地に入ったり洗濯物にひっついたりして毎年ちょっとした厄介物となっていました。葉っぱをなんとかしてもらえないかというご近所さんからのお話もあり、地主さんに相談したところどうぞ切って下さいとのことだったので、チェーンソーを持ち出していざ伐採となりました。

しかし、生えている場所が敷地の隅っこの角部分だったので伐採には気を遣いました。私も何度かチェーンソーでの伐採は経験があるものの、本職ではなく、これまでは自分がケガしないように切り倒せばよかったのですが、今回は狙った方向に倒さなければお隣さんの塀や畑のものを壊してしまいます…

最初はなるべく枝を切って軽くしてから切り倒そうかとも思いましたが、その枝も太く直径15cm以上あり、切り落としたらお隣さんの塀の上に落ちてしまう位置…

これならいっそ幹を切って畑側に倒すのが良いと判断し、木の地上50cmのあたりの畑側に受口を入れました。少しずつ微調整しながら受口を作り、追口を入れていきます。

風もやや強いので煽られて反対側に倒れないか注意しながら追口を切り進めていくと、

ミシミシ…ストン。

これだけ大きく重たい木なのに、驚く程静かに倒れてくれました。

ばっちり敷地内に納まり、ケガも何かを壊すこともなく済みました。ヨカッタ!!

あとは木材として使いたい部分と、シイタケ用の原木にする部分に切り分けて、最後に葉っぱのついた枝の部分をナタで切って片付けました。

細長い枝は農具の柄に、割って乾燥させている板材はまな板や更に割って斧などの柄にしてみようとあれこれ考えています。

いろいろやりたいけれど、はたして上手くいくかしら?

『自然生え』について

今回の記事は↓こちらの動画の内容に沿って、補足を書きます。

《動画タイトル》【雑草化する野菜】自然生えのしやすさを解説〔自然農法〕2020年8月6日撮影

【動画の目次】

  1. 動画内容の説明、自然生えとは?
  2. 果菜類について
  3. 根菜類について
  4. 葉菜類について
  5. 畑を散策して実際に自然生えしている野菜を見てみる

【補足説明】

①今回の動画での『自然生え』とは

自然生え(じねんばえ)とは、人為的にタネ蒔きしたわけでは無く、野菜が実らせた果実や種子が自然に地に落ちて発芽して育つことを言います。

今回の動画では、『タネ蒔きをした翌年以降に発芽して育つか』をポイントにしましたが、キュウリなどは春植えしたものが初夏に実をつけてそれが落ちて真夏に発芽、秋頃にまた収穫できるまでに育つということもあります。

このケースを『シーズン内の自然生え』と言うことにしました。

『タネ蒔きをした翌年以降に発芽して育つか』と、ちょっとややこしい表現にしたのは果菜類と根菜類・葉菜類ではタネが出来るタイミングが異なるからです。

一般的な果菜類(トマト、ナス、キュウリなど)はタネを春先に蒔いて夏に実が出来て秋にタネが地に落ちて冬を越して翌年の春に発芽しますが、人参や大根などの根菜類と小松菜やホウレンソウなどの葉菜は一度冬の寒さを経験しないと花芽を付けません。なので基本的には年越し後にタネが出来てそれが落ちてまた春~秋の間に発芽します。

例外として、2~3月の寒い時期にタネを蒔いて育てると年越し前に蒔いた葉菜類と同じタイミングで花を咲かせたりします。

②自然生えしやすいポイント

今回の動画では自然生えしやすい野菜としにくい野菜を解説していきました。編集している時に気づいたのが、次に挙げるポイントで総合的に『自然生えしやすい』かそうでないかが決まると思います。

  1. 着果数(タネの数)が多い
  2. 発芽後の生長力が強いか早い
  3. 虫に食われにくい
  4. 生育に適した時期まで休眠できる
  5. 休眠が解ける条件が厳しくない(発芽しやすい)

この条件を満たすものほど、自然生えしやすいと思います。

たとえば、葉菜類の特にアブラナ科の野菜(小松菜をイメージしてみます)はタネも多いし、発芽もし易くその後の生長も早いのですが、時期によっては虫に非常に食われやすくなります。

上記条件の1,2、5は満たしますが、発芽しやすいだけに春~夏に種が落ちたらすぐに発芽します。5~8月は雑草と虫の勢いが強い為それらに負けやすく上手く育ちにくいんです。

ただし、同じアブラナ科の葉野菜でも、辛みのある高菜やルッコラなどは虫に食われにくく春~夏に発芽してもそのまま生き残って育ったりします。

これはルッコラのタネが入っているサヤの部分。他のアブラナ科と違って真ん中に仕切り板がある。

果菜類でいうと、トマトは上記条件を全て満たします。それに対してピーマンは2,3,5が欠けます。生長が遅く、新芽はナメクジに食べられやすく、発芽するために他のナス科野菜よりも高い温度が必要になります。ナスもピーマンほどではありませんが同様の理由であまり自然生えしてきません。

自然生えしてきた大玉トマト(ポンテローザ)
タネ蒔きして育てたものよりも元気にきれいに育ってました。

カボチャやキュウリなどのウリ科はタネ自体は発芽しやすいのですが、タネが果実で守られている間は発芽しません。(例外として栄養状態が悪いと果実内発芽といって果実内で発芽してしまう場合もあります)

年を越した5月時点でもこの瑞々しさのバターナッツカボチャ。
常温保存でも1年近く果実がしっかりとしてタネを保存していた。

夏に実が出来ても実が熟して崩れるまでは時間が掛るのでその間に冬になれば発芽せずに年を越えて翌年の暖かくなった頃に発芽します。

そうやって『発芽のしやすさ』と『しっかり休眠する』という相反する要素を果実を使うことで実現しています。

大根の実もそうですね。尖ったひょうたんのような形の実をたくさんつけてそのカラは他のアブラナ科のものより硬く割れにくいんです。

これらのポイントを意識して野菜の発芽から種を付けるまでを観察してみると、野菜の自然生えへの理解が深まると思います。

〔動画補足〕無肥料・不耕起畝に黒大豆の踏みつけ種蒔きと発芽【耕さない畝作り】2020年8月1~7日

↓今回はこちらの動画の内容説明と補足です。

【動画の内容】

  1. 三角ホー1本でやる簡易的な踏みつけ種蒔きのやり方
  2. 黒豆の説明、大豆の種蒔き時期について
  3. 畝整備に使うクワの紹介とポイント
  4. 六つ子を使った浅耕
  5. 櫛形草削りを使った除草作業
  6. 三角ホーを使った種蒔き用溝切り
  7. 黒大豆の踏みつけ種蒔き
  8. 種蒔きから6日後、発芽の様子

【各項目の説明と補足】

1.三角ホー1本でやる簡易的な踏みつけ種蒔きのやり方

YouTube動画より抜粋

一通り畝の整備から踏みつけ種蒔きをやった後に、もっと簡単なやり方を思い出したのでやりました。三角ホー1本で種蒔きする場所だけ地表面の草を削り、種蒔き用の溝を切ってそこにタネを蒔き、溝の横に盛った土を三角ホーで押し戻してから足でふみつけて鎮圧。

土に十分な水分があれば水やりは不要で踏みつけることで土をタネが密着して、土の水分だけで十分に発芽してきます。ただ、土の水分が少なかったりしばらく雨が降らないような時は水やりをした方が発芽は早くなります。

水分が十分なら種蒔きから3~5日ほどで発芽します。今回は水やり無し、種蒔き後に雨も降りませんでしたが、5日後から発芽し始めました。

2.黒豆の説明、大豆の種蒔き時期について

YouTube動画より抜粋

黒豆は大豆の一種だということをご存知無い方も実は多いのではないかしら?とふと思いました。大豆は色んな種類があって、最もポピュラーなのは白大豆。豆腐に納豆に、節分の時の豆など、馴染みも深いと思います。

でも他にも、黒、緑、黒っぽい紫、緑+黒の2色、と色も色々あって、更に粒の大きさでも、黒千石のような極小から、今回蒔いた丹波黒のような大粒のものまであります。稲と同様に主要な穀物だったので日本各地でその地域独自のものが沢山生まれていったのでしょうね。ちなみに、枝豆は大豆の未熟果(つまり同じ植物)ということを知らない方も多いと聞きます。

話を動画の方に戻します。今回蒔いたのは、品種名『丹波黒 大粒大豆』です〔丹波の黒豆〕が有名で、品種としてはそれと同じものです。蒔き時は6月~7月上旬までとなっているので8月上旬は1ヶ月ほど遅いです。種袋の裏に書いてある情報って目安みたいなものなのでそこまで厳密に守らなくても大丈夫(逆に言えばそれの通りにやっても上手く行かない場合もある)なので絶対無理ではないですが、大粒の大豆は生育にも時間がかかるのでそこがネックです。

豆が大きくなる前に寒くなって葉が枯れてしまえば、粒が小さいまま熟します。それならまだ良いのですが、豆が出来る前に枯れてしまえばタネにすらできません。その点でもギリギリなタイミングです。

豆の種類によっては8月上旬までが種蒔き適期というのもあります。また、生育期間の長さによって短い物から、極早生、早生、中生、中晩生、晩生という分類分けがあります。読み方も独特でそのまま『ちゅうせい』『ばんせい』と読んだり『なかて』『おくて』と読む場合もあります。

『夏と言えばビールと枝豆』を叶えるためには3月頃から苗作りや種蒔きを始めないと6~7月の枝豆収穫には間に合わないのですが、3~4月の種蒔きでの大豆栽培は無農薬だと虫に食われやすくてちょっと難しくなります。そもそも気温が低いので発芽しにくかったり、発芽後も虫に食われやすく生育も遅く、初心者には案外難しかったりします。

それが、梅雨明け後の6月中旬~7月中旬に種蒔きをするとタネ蒔いた後は、草取りするだけでほぼ放置で元気に育ち、虫食いも少なくきれいに出来ました。

※虫食いの被害は、葉っぱをコガネムシ(マメコガネ)に、実はカメムシに吸われるのと、サヤの中の実をダイズサヤムシガという小さなイモムシに食われます。

梅雨明け後の種蒔きだと上記の虫食い被害が激減する代わりに、驚異となるのが近年の強力な台風です。サヤが膨らみ始める8月下旬~9月下旬に台風によって葉っぱが振られまくると、数日後から葉っぱが急に枯れ始めます。最初は理由がわからなかったのですが、おそらく激しく振られたことで葉っぱの葉脈が切れたり、細胞が傷んでしまったのだと思います。

葉っぱが枯れると光合成出来なくなるので、十分に豆が大きくならずに熟してしまいます。

ここが悩みどころ。虫除けの代わりに風除け対策が必要になります。

3.畝整備に使うクワの紹介とポイント
4.六つ子を使った浅耕
5.櫛形草削りを使った除草作業
6.三角ホーを使った種蒔き用溝切り

YouTube動画より抜粋

今回は、六つ子、櫛形草削り、三角ホー(全て相田合同工場製)の3つを使い分けましたが、草刈りがしてある場所なら動画の冒頭部分のように三角ホー1本でもできます。

ただ、畝の状態によっては農具を使い分けたり他の作業も必要になるので参考にしていただければと思います。

7.黒大豆の踏みつけ種蒔き

YouTube動画より抜粋

踏みつけ種蒔きの最大のメリットは、作業が楽で早いということです。

種蒔きごんべえなどの機械があればそっちの方が早くてしかも丁寧に出来ますがそういったものが無い場合は、手で蒔くことになり、通常ならしゃがんで蒔いて土を被せて抑えて移動して…を繰り返すので足腰が痛くなり、作業速度もあまり速くなりません。

それが踏みつけ種蒔きならタネを蒔くのは手、覆土、鎮圧は足と役割分担出来るので、移動しながら覆土と鎮圧ができるし、作業も早くなり、しかも立ったままなので足腰への負担も少なくすみます。

欠点と言えば、体重が掛るので土が濡れすぎている場合や、耕耘機で耕して軟らかくなりすぎた畝では土が固まりすぎてしまうので出来ない(向かない)ことと、慣れないとタネの蒔き方のバラツキが大きくなります。

それと、動画内でも話しているポイントですが、踏むのはつま先で行う方が力加減がしやすいです。あと靴底の形状が大事です。かかとが出っ張っている長靴だと、畝の表面がデコボコになるのでフラットなものを履いて行いましょう。

8.種蒔きから6日後、発芽の様子

YouTube動画より抜粋

今回は土も十分湿っていたので、種蒔き後の水やりは一切無しで経過を見ていました。その後も雨が降らなかったので、水やりした方がいいかな?と思った種蒔き後4日くらいで芽が出始めたのでそのまま観察していました。

水分、温度が適正なら今の時期は3~5日程度で発芽すると思います。それで発芽しない、あるいは芽が見当たらない場合は、水分が足りないか、鳥に食べられてしまった可能性を疑いましょう。

畝の表面が掘り返されているようなら鳥の仕業なので蒔き直しをする。畝の表面が無事だけど見るからに乾燥しているなら水やりをしてあげます。

それでもう数日様子を見てみるとよいと思います。

今回の内容説明、補足はこれで終わりです。

気になることやもう少し知りたい事などありましたらお気軽にブログでも動画にでもコメントください^^

動画補足【ノコギリ鎌の研ぎ方~】2020年7月31日投稿

今回は↓こちらの動画の補足説明です。

動画の内容

  1. ステンレス製と鉄製のノコギリ鎌の違いについて
  2. 鉄製のものをお勧めする理由、安物はNGな理由
  3. ノコギリ鎌を研ぐための道具について
  4. イネ科雑草で研ぐ前の切れ味チェック
  5. 切れない鎌は引きちぎっているので疲れる
  6. ダイヤモンドシャープナーを使ったノコギリ鎌の研ぎ方
  7. 研いだ後の切れ味チェック

【各項目の補足説明】

1.ステンレス製と鉄製のノコギリ鎌の違いについて
2.鉄製のものをお勧めする理由、安物はNGな理由

最初は錆びにくく、切れ味も長続きするステンレス製(700~1,000円)のものを使っていましたが、2年くらい使うと切れなくなります。

特にノコギリ鎌は土に突き刺して使ったり、多少硬い草でも無理をさせて切ったりするのではが丸くなりやすいです。

切れなくなるのは、鋭かった刃先が削れて丸くなったり、安物の場合は柔らかい鉄で出来ていて焼き入れもされていないので細く尖った刃先は簡単に曲がります。

そのようになったら今回のようにダイヤモンドシャープナーで研げばよいのですが、ステンレスは鉄に比べて硬く、なかなか研げません。

また安物の鉄製のものは軟らかい分研いだり、曲がりを直すのは簡単ですが、また曲がったり刃が鈍ってすぐに切れなくなり、手間が掛ります。

その為、ステンレスよりも研ぎやすく、刃も鋼が使われていて出来れば焼き入れ処理がされている500~1,000円くらいのノコギリ鎌がお勧めとなります。

しかし、ノコギリ鎌を研ぐのはめんどくさいのと、少しコツがいるので『切れなくなったら使い捨てる』と割り切ってしまうのもアリです。ただ、使い捨てるからと言って、500円以下の安物を買うと数回も使わないウチに切れなくなる可能性もあるのでやはり500円以上のものがお勧めです。研がずに使い切るのであれば、錆びにくく切れ味が長続きするステンレス製のものを選んでも良いと思います。研げないわけではないですし。

3.ノコギリ鎌を研ぐための道具について

動画で言っている通り、ノコギリ鎌は砥石では研ぎにくいので半丸型のダイヤモンドシャープナー(以下Dシャープナー)がお勧めです。

細いギザ刃の隙間を研いでいくので、研ぎ減りして形の変わる砥石だと常に細い角の部分を使わねばならないので現実的ではありません。不可能ではないけれど圧倒的に難しくなります。

その点、Dシャープナーなら角度を保って前後にスライドさせれば良いので、手間は掛りますがそう難しくはありません。Dシャープナーは刃が湾曲した草刈り鎌や、刃が小さいハサミ、逆に大きいクワなども研げるので1,500円ほどはしますが、1本持っていて損のない手入れ道具です。コレも、安物はお勧めしません。安物は研磨部分のダイヤが取れやすかったり使いにくい大きさだったりします。

4.イネ科雑草で研ぐ前の切れ味チェック
5.切れない鎌は引きちぎっているので疲れる

切れ味チェックでは、『刃の食いつき』を見ています。刃が鈍ると草の繊維に引っかからず滑ってしまうので切れません。草も鎌もしっかり握って引き切れば切れるのですが、それだと余計な力が要ります。しっかり切れるノコギリ鎌なだ軽く握るだけでスパーっと切れますし、多少切れ味が落ちていてもザクザクっといった感じで切れます。自分で研ぎ直す時に目指すのは新品時のスパーッではなく、このザクザクッという切れ味にしましょう。新品並みに研ぐのは大変なので手間に対してのコスパが悪くなります。

6.ダイヤモンドシャープナーを使ったノコギリ鎌の研ぎ方

これがこの動画のメインとなります。文字だとわかりにくいので動画をご覧ください。

研ぐ部分はギザギザの刃先片側だけで良いです。他の部分が錆びていても使っているウチに錆は取れていきます。鉄製の道具は使わずにいる方が悪くなっていったりしますので、日々使うか、しばらく使わない場合は錆を落として錆止め油などを塗って保管しておきましょう。

7.研いだ後の切れ味チェック

研ぐ前のやり方を同じく、鎌を親指と人指し指でつまむようにしてチェックしています。刃の食いつきが良くなった為、草の繊維に引っかかってそのまま引き切れています。

これくらい刃の食いつきが良くなると普通に握って草刈りをする場合でも強く握らなくて済むので疲れ方が違います。

以上で今回の動画補足を終わります。

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